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////Coffee Break-02 <こだわりの創作パズル>



古今東西多くの人に親しまれてきたパズルに、TANGRAM(タングラム)という図形パズルがあります。正方形を7つの様々な形に分割してできた小片をすべて使用して、問題とされたシルエットの図形を完成させるというもので、このTANGRAMの他に、この種の図形パズルはこれまでにたくさん考案されています。
パズルの範疇として、シルエットパズルとか、ドイツで開発されたレンガ用素材のアンカーストーンブロックで制作されたことからアンカーパズルとも呼ばれている様です。
(左図:TANGRAM基本形)
これらのシルエットパズルの中には、小片数がわずか4ピースで意外性に富んだ「T−パズル」や、円あるいはハート型が基本形のもの、また基本形の四角形が15もの小片に分割された複雑なものなど様々な種類があります。
ITO PUZZLE LANDでご紹介したTANGRAPHY PUZZLE SERIESは、このシルエットパズルの範疇に入るもので、すべて私が創作考案したものですが、創作にあたってはこれまでのパズルとは若干ニュアンスの異なるいくつかのこだわり(特長)があります。

こだわりその1:元の基本形は四角形(長方形)に
その一つは、星型や三角形、十字やT、N、Mなどの文字
形を再構成する場合も、元の基本形は必ず四角形(長方形)におさめること。理想は正方形ですが、かなり制約を受けそうなので出来るだけ正方形に近い長方形を努力目標としました。
その結果、TANGRAPHY PUZZLE SERIESのそれぞれのパズルを見て頂ければお分かりの様に、14種類のうち[X & HEXAGON]をのぞいたすべてのパズルの基本形は四角形(長方形)で、正方形は実は2種類あります。
下図のパズルはご存知の<T-パズル>(A)と<K-パズル>(B)です。ちなみに(C)は、私が考えた<New-K-パズル>です。A、Bともにこの種のパズルでは少ない小片数にもかかわらず意外性に富み、実にうまく考えられたパズルだと思います。ただ、欲を言うならAもBも基本形が四角だったらとの私のこだわりからの思いがあります。私も試みにC案を考えてみましたが、ご覧の様に小片を四角に収めることが出来ず、私のパズルシリーズに加える事をあきらめました。

A:THE T/Modified by Nob. B:THE K/Designed by Takahiko Abe. C:designed by T.Ito

なぜ基本形が四角形(長方形)でなければならないのか。別にそんな決まりはありませんが、例えばシリーズ化した時、すべてのパズルが同一の定型サイズの箱に収まるという経済性などの理由がありますが、パズル創作における私のこだわりにすぎません。

こだわりその2:基本の四角形(長方形)はより正方形に近く
下図のパズルはTANGRAPHY PUZZLE SERIESの<STAR>です。これは6ピースで星型六角形を再構成するもので、元の基本形は四角形(長方形)に収まるようにデザインしました。

<STAR>:TANGRAPHY PUZZLE SERIES Designed by T.Ito

ただこの場合、基本の長方形は縦横比1:1.73で、目標のより正方形に近づく事は出来ません。そこで考えたのが下図のデザインです。下のAの菱型の小片(紫色)をさらに二つに分割してみました。そうするとBからCの四角形に再構成が可能となります。Cの長方形の縦横比は1:1.29でより正方形に近づいたことになります。こうして一つのこだわりは解決したのですが、このデザインを何故採用しなかったのかは、また別のこだわりがあったからです。




こだわりその3:小片の数と形
それは分割する小片の数は出来るだけ少なくするというこだわりです。TANGRAPHY PUZZLE SERIESでは、4ピースが最も少なく、多くても小片の分割は7ピースです。シルエットパズルでは、別に小片の数が決められている訳ではありません。実際7ピース以上のパズルはたくさんあります。しかし、<T-パズル>の4ピースのような、小片数が少なくても挑戦者をうならせる巧妙なデザインにこだわりたかったのです。
それと、少ない小片数に加え、分割したそれぞれの小片の形やサイズのバランスにもこだわりのデザインがあります。
下の図Aは小片数5で基本形も正方形に近い四角形ですが、どうも一部の小片の形がいびつでサイズのバランスも良くありません。図Bは小片数6で小片のサイズのバランスは図Aに比べ幾分良いのですが、不等辺四角形(青色)の形に難点があります。その点図Cは各小片の形は整った感じがします。ただこのデザインのこだわりは、小片数が増えた事に加え、直角三角形(赤色)のサイズが他に比べ小さくバランスがとれていないことです。
以上のようなこだわりから、結局<STAR>は、小片数6、元の基本形は縦横比1:1.73の長方形を採用することにしました。

図A:小片数-5 長方形縦横比1:1.29 図B:小片数-6 長方形縦横比1:1.29

図C:小片数-7 長方形縦横比1:1.29


こだわりその4:シルエットはシンメトリー
小片の形やサイズのバランスは、問題となるシルエット図形のデザインに大きな影響が生じます。既存の他のパズルには、人や動物といった有機的図形が多く含まれていますが、TANGRAPHY PUZZLE SERIESはほとんどがシンメトリー(対称形)な幾何学的図形が主体となっています。加えて、シルエット図形問題の数の多さもこのPUZZLE SERIESの特長で、これは小片の形とサイズのバランスへのこだわりから生まれた結果といえます。

<STAR>のシルエット問題の一部 全部で約60題のシンメトリー図形問題があります



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