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////Coffee Break-01 <パズルと私>


わたしがパズルの創作にかかわるようになったのは、かれこれ12年位前のこと。
パズルの創作といっても、ITO PUZZLE LANDのページでご紹介した私の代表作<TANGRAPHY(タングラフィー)>の話です。

グラフィックデザイナーという私の職業に関連して、恒例行事のように毎年の夏やってくるデザイン公募展(二科展)出品のために、その都度何か新しい表現方法はないかと、頭を悩ませていたときのことでした。机の上にあったカラーペーパーを見てふと思いついたのが、コラージュという技法です。

コラージュというのはご存じと思いますが、新聞や広告・写真などの文字や画像を適当に切り貼りし,加筆等しておもしろい効果をあげる、シュールレアリスムアートの一手法ですが、私は円を分割した小片を組み合わせて、何か表現できないだろうかと考えたのです。

最初は基本の円をあれやこれやと切り貼りしながら、どうせたいしたものは出来ないだろうとあまり期待はしていなかったのですが、だんだん試行錯誤を繰り返すうち、これが意外や意外、実に表現性豊かで、12ピースの小片の組み合わせから思いもかけない形が出来上がっていくではありませんか。この新しいデザイン表現の発見に密やかに欣喜雀躍、まさに感動的でした。ネーミングも、コラージュからではなくTANGRAMからヒントを得て、表現方法という意味のGRAPHYに置き換えた新造語<TANGRAPHY(タングラフィー)>と決定しました。

おかげでその年の出品作品制作はことのほか順調で無事締め切りに間に合うことが出来たのは言うまでもありません。それ以降もこのTANGRAPHYの創作の楽しさにハマッテしまい、友人の勧めもあり出来上がった作品をとうとう個展を開催して発表という、まったく思いもかけぬ展開となってしまいました。

このTANGRAPHYなるものがパズルの範疇に入るかどうかは別として、私が創作パズルに夢中になり始めたのはこのことがきっかけであることは疑う余地もありません。仕事上のちょっとした思いつきで思わぬ展開が開けてくるのは実に楽しいことですね。

平成18年(2006年)3月3日

二科会デザイン部(会友)出品作品/1993年 伊藤輝和グラフィックス展[TANGRAPHY]ポスター/1995年
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