ウェブレポート/大分の名瀑(大分の滝)フォトライブラリー

PHOTO:ITOデザイン事務所/伊藤輝和

■PHOTO LIBRARY / Waterfalls of Oita

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黄牛(あめうし)の滝 | 大分県竹田市上坂田
Ameushi Falls /Kamisakata,
Taketa-City
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光のコントラストが幻想的な、黄牛(あめうし)の滝

これまで何度か訪ねる予定を立てていたのだが、時間が遅くなったり、道を間違えたりで、立ち寄れず仕舞いだったこの黄牛の滝を、やっと今回訪ねることが出来た。とは言え実は、今回も滝の入り口まで行ったところで大粒の俄雨。あわてて車まで引き返し、車の中で雨が止むのを待つのももどかしく、雨雲を睨みつつ予定変更して近くの老野湧水に先に行くことになった経緯がある。
個人的ながら、この滝とは何か因縁めいたものを感じつつも、老野湧水見学の後、取って返し黄牛の滝へと再び向かう。
黄牛の滝へは、竹田市と久住高原を結ぶ国道442号の途中に、「黄牛の滝2km」の看板が出ている(1)。そこからは案内サインを頼りに農道を(実測で2.8km)進めば、「黄牛の滝駐車場」(2)に容易にたどり着く。2〜30台駐車可能な立派な駐車場に、トイレ、休憩所(3)までが完備。駐車場から10m先には滝入り口のユニークなサイン(4)が目につく。滝までは324mとあり、舗装された坂道を下り(5)、後は岩壁にしつらえられたかなり急な石段(6)を下りると、(上坂田渓谷とよばれる)渓谷沿いの滝への遊歩道に出る。そこから滝までは3〜4分の距離。途中、岩壁から白糸のようにしたたり落ちる清水(7)や、木々の緑に覆われ鬱蒼とした渓谷に、真上から川面と岩石に光が差しこみ、そこだけ明るく浮き立っている様(8)は、何とも幻想的である。
そんな光景を楽しみながら少し進み、上流に目やると、水量豊かに勢いよく流れ落ちる滝が待ち受けている(9)。滝口の幅15m、落差20m、滝壺はさほど大きくないが、なにせ驚くばかりの水量で、水流が一気に滝壺に落下する様子はダイナミックの一言。さらに周囲の岩肌の陰影と水飛沫の白さとのコントラストが美しく、まるで豪快な水墨画(10/11/)のようでもある。手前の大岩が、この滝にまつわる伝説『いたずらな龍を鎮めるために、滝壺に投げ入れた黄牛の子どもの頭』の仔牛のシルエットのようにも見える(12)。
滝の迫力に圧倒されながら、しばらく滝を鑑賞した後、滝口左上部に目をやるとわずかに白いガードレールが目に入る。以前この滝を紹介したあるサイトで、このガードレールと道路のコンクリート擁壁がせっかくの景観を台無しにしていると指摘されていたのを思いだしたが、今はコンクリート擁壁は草土で覆われほとんど気にならない。多分手を入れ修景したのではと、地元の人の配慮をうれしく感じつつ、ふと、滝上からも眺めてみたいという衝動に駆られる。
滝を後にして、車に戻り来た道を数十メートル程進むと「出会いの湯」の看板があるのに気づく。確信はないがそこを左折、細い坂道を少し下ると眼前に広がる里山の風景と静かに流れる川。この川が滝の源であることは一目瞭然、あまりにも意外に簡単に見つかりうれしくなった。整備中の小橋を渡り、先のガードレールを目標に滝口あたりに難なくたどり着く。
滝下からでは気づかなかったが、滝口は水流が岩の間をいくつかに分かれ数条の滝となって落ちている(14/15)。滝下で見る程に水量のすごさは感じなかったが、なによりこの滝口から川の上流に広がる田園風景は、絵に描いたように美しい。(13)。
この滝が懸かる稲葉川は、その源を久住山に発し、山間部を流れ、途中神馬川、久住川と合流しながら流下、竹田市を横断して大野川に合流、別府湾に注ぐ一級河川。黄牛の滝上流800mに予定されている稲葉川ダムの周辺整備により、滝の遊歩道や駐車場等が整備されたとのこと。それまでは地元の人さえも足を踏み入れたことのない「幻の滝」と呼ばれていたそうだ。
それにしても、この滝のすばらしさに加えこの地域の田圃は手入れが行き届いていて、里山の美しい田園風景(16)に出会うことが出来、久し振りに感動的な滝探訪の一日だった。

撮影:2008年(平成20年)8月5日
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