別府八湯フォトアルバムシリーズ
観海寺温泉<Kankaiji-Spa>


(撮影・取材:平成22年4月2日/ITOデザイン事務所・伊藤輝和)


別府八湯・観海寺温泉は、別府市街地の南西、海抜約200mの高台、別府湾を見下ろす船原山の東麓に位置する。鎌倉時代に発見され、江戸時代に書かれた「豊後国志」にも眺望が極めて美しく多くの湯治客が訪れると記されているという。

現在も晴れた日は遠く四国を、夜には別府市街の美しい夜景を眺めることが出来る。また、四月の桜の時期には、街路沿いの桜の淡いピンクと赤いぼんぼりが調和して特に美しく、情緒ある温泉郷の風景を演出している。


観海寺温泉を代表するのが、大型の宿泊施設杉乃井ホテル。別府湾を一望できる眺望抜群の大型露天風呂「棚湯」や洗練されたリゾート温泉の趣きで水着着用のリゾートプール、ボーリング場も兼ね備えていて、韓国、台湾、中国からの観光客にも大人気と聞く。観海寺橋を渡れば、瀟洒な介護付き有料老人ホームが元大型ホテル跡地に建設されている。

また、山手には近年洋風宿泊施設を増築した老舗の和風旅亭があり、半露天や岩風呂など情緒ある内風呂が楽しめる。この旅亭そばにある由緒ある薬師堂に湧く薬師湯は、飲湯に適し、お茶やコーヒーに使用すれば、独特の風味が増しおいしく味わえるとのことで、お湯汲みに来るファンも多いと聞く。


豊富な湯量に加え、地熱を利用した発電や暖房などがさかんに行われている。杉乃井ホテル専用駐車場の山手側にある杉乃井地熱発電所では、ホテルで使用する電力の約50%をまかなっているとのこと。

杉乃井地熱発電所の敷地には、噴水型冷却池があり、熱水を噴射冷却し、階段式の冷却池で温度を徐々に下げていく様子を見ることが出来る。勢い良く噴出する熱水が壮観で、一見に値する光景。


観海寺温泉の地名は、今から1200余年前、西暦713年国東地域六郷満山開祖仁聞菩薩によって開かれた「清湯山観海寺」に由来しているといわれる。古くから皇族方との結びつきがあり、後白河法皇(西暦1190年頃)がこの薬師湯を浴したとの記録も残されている。
また、後白河法皇の第三皇女式子内親王も薬師湯を嗜み浴し生涯をこの地で過ごされたとの話も伝わっている。

以前開催された別府八湯ウォーク・観海寺温泉史跡浪漫街道<春>では、これらの話にまつわる史跡を巡るコースがあり、観海寺史跡浪漫街道<秋> でも、観海寺温泉の他の史跡をを訪ねることが出来た。ただし、現在これらのウォークは実施されていない。
上記の古写真は隆盛を極めていた頃の観海寺温泉だが、昭和6年10月大火に見舞われ壊滅的打撃を受けた歴史もある。(古写真資料:小野弘氏)




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